パイプの愉しみ方

パイプの愉しみ方

ソウルの都大路をパイプ咥えて闊歩

山口パイプクラブのメンバー4人と小生の娘を加えて5名の2泊3日の韓国グルメ旅行。メンバーは大学教授の荘司先生、そのお弟子さんの小河君、友人の松浦歯科医先生と小生と娘の美稚子、彼女はシンガポールからの現地参加である。

12時発のアシアナ航空131便福岡発。ソウル着は13時10分。東京へ行くよりもっと近い。市内まではバスで40分。夕食は行きつけの「釜山カルビ」でドンドンジュマッカリ牛と豚肉をそれぞれ部位別に注文するという凝りようで大宴会。釜山カルビで大宴会焼き肉とパイプスモーキングのマッチングの良さに全員満足してすっかり堪能した。ブレンドは断然ラァタキアだと思った。僕はアロマ党だがここではペンザンスが美味しかった。その後はなじみのオモニがやっている屋台へと繰り出した。みぞれ交じりの零下1度ぐらいのビニール張りの屋台で焼きたてのホタテを頬張りながら飲むマッカリの味はキューンと冷えた、しみつくような頬を刺すような寒さの中で冬のソウルへ来たんだという風情を誘う。パイプの薫りが漂うのか良い香りがすると言って若い人達が入ってくる。写真を撮ったり撮られたり楽しい交流が始まり、12時過ぎて白タクのお世話になってホテルに帰り、更に又部屋でわいわいがやがや、みんなでドンドンジュを飲み明かす。

アワビのおかゆ韓国の朝飯はアワビのおかゆに限る。セジョンホテルの裏の松竹というお粥の専門店に行く。ここのお粥はソウルで一番美味しいという評判の店で、地元の人で一杯だったが、少しずつ席をずらして空けてくれたのでやっと座ることが出来た。その後観光で秘苑、大統領官邸などを回って昼食は全員希望の参鶏湯を食べに今回は「土俗村」と言う店に行く。ここの参鶏湯は上品で味がソフトで美味しい。一緒にでる酒が参鶏湯に良くあって絶妙な味わいである。パイプとの折り合いも文句なし。

夜はどうするかと言うことになって、意見がまとまらず時間も過ぎたのでホテルの前の居酒屋風の店に飛び込んだが、これが意外と成功だった。観光客相手ではないので言葉がちんぷんかんぷんだったが、何とかカルビを炊き込んだ美味しい料理にありつけ、手振り身振りでマッカリを飲んでいる内にオモニの警戒心も解けて色々なものを出してくれた。その中に黒豆の納豆風のものがあり名前は判らないままだが、京都の大徳寺納豆の原型のような味で結構いけた。これは買って帰ろうと言うことになりみんなで探したなかなか見つからない。

名前も判らないまま翌朝新世界百貨店の食料品売り場を探し回ってやっと見付けたが、名前を聞くのを忘れて未だに名前が判らない。酒の肴には最適だ。

韓国はシガレットの種類は日本よりも多く喫煙人口も多いと思うが、パイプタバコはない。パイプ屋さんも中心商店街では見つからなかった。米軍基地の近所には、横流れだがパイプとパイプタバコを売っている店が1軒あったが、銘柄もスモーカーズプライド1種類でパイプも10本程度しかなかった。ソウルにはパイプクラブがあると思うが、接触できなかったのは残念だった。

韓国の食文化の奥行きの深さ、味と薫りの絶妙な組み合わせはまさにパイプタバコのブレンドの微妙さを思わせるものがあり、全く脱帽した。兎に角キャベンディシュのような美味しさなんです。

鴻峰山人