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訃報

平成20年3月
ビヤーン・ニールセン氏が逝去されました
柘 恭三郎

ビヤーン氏は、今年に入って体調を崩し、3月の初旬に心臓発作を起こし、亡くなら れました。

1973年、ビヤーン・ニールセン氏(Bjarne Nielsen)は、「ビヤーン」(Bjarne)のブランドで工房を立ち上げました。当時としては珍しい1年間の補償付のパイプとして話題となりました。

ビヤーン氏は、デンマークの外務省に勤務していましたが、パイプ好きが嵩じて自分のビジネスとしてパイプ製作の会社を立ち上げました。デンマークのパイプ職人達を束ねて、比較的値ごろ感のある手作りパイプを製作しました。個人作家というより「工房製パイプ」としてのカテゴリーに入ります。1970年代のスベンド・バングや、現在ではW・O・ラールセンと同じようものです。オーナーがいて、その下に作家がパイプを作る形態の会社です。ビヤーン氏自身はパイプを作らず、数ヶ国語の言葉を操って販売に専念しました。

当社、柘製作所も1980年代の初めから輸入を始め、日本のパイプスモーカーに紹介して参りました。初期はいかにもデンマークパイプらしいラフトップのパイプが多かったものでしたが、最近では、クラシックシェープに近いものや、ジャイアンツ、チャーチワーデン等の変型も作るようになってきました。工房製のパイプの中でも多作で、そのバリエーションの豊かさは目を見張るものがありました。

ポピュラーなデンマークパイプということで人気を博し、輸出先も多く、30数カ国にも及んでいました。彼自身の人柄も素敵で、いつも笑顔を絶やさない方でした。

世界中の喫煙具関係の展示会、パイプスモーキング大会で必ず顔を拝見する常連の一人でした。彼の姿が見えないとなると寂しい限りです。

合掌