禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

「魔女狩り」、今は「たばこ狩り」
平井 修一

「タバコニスト」というのは、以前は「葉たばこ仕入れ・買い付けのプロ」(リーフマン=たばこっ葉野郎)の意味だったが、今は「専門知識のあるたばこ屋さん」のようである。いずれにしても先進国では狂気のような「たばこバッシング」だからタバコニストとスモーカーは生きにくいだろう。

人類はかつてはまじめに「魔女狩り」をしていた。狂気のような「くじら教」「CO2削減教」を含めて「たばこ狩り教」の100年後の評価はどうなのだろうか。中共がこければ「マルクス教」は絶滅する、天然痘のように。後から振り返ると愚かなことや妄想に人は夢中になるものである。

2兆円のたばこ税収を含めた税金で運営されている政府の厚生労働省が「たばこ狩り」の尖兵だが、なにやらタコが己の足を食っているような印象だ。

「日経ビジネス」記者出身の長妻昭はヤニくさい顔をしているが、いつ禁煙したのだろうか。記者は灰皿をいっぱいにしながら原稿と格闘するものであるから、長妻も愛煙家だったのではないか。オバマ大統領は禁煙に成功したか。

"Did Obama stop smoking?" で検索したら、英ガーディアン紙が3月1日号でこう報じている。

<Barack Obama is still struggling to kick smoking, according to his first medical examination since becoming president.>

(大統領就任以来の最初の健康診断によれば、オバマ氏は禁煙にまだ苦しんでいる)

禁煙なんて簡単にできるものではない。気の毒なオバマさん。

我が神奈川県ではこの4月から公的施設では全面禁煙になった。七転八倒しているたばこ喫みは多いだろう。気の毒に。松沢を知事に選んだのは県民である。

日本では400年の喫煙の歴史があるが、10年、20年でそれを駆逐できるものかどうか。たばこ生産量は世界的に漸減しているとはいえ50年後でも喫煙習慣は残っているだろう。

厚生労働省の「最新たばこ情報」によれば、葉たばこを栽培している国は100カ国を超え、そのうち約80カ国は発展途上国である。中国、米国、インド、ブラジルの4カ国で世界総生産の3分の2を占めている。

農家にとってたばこは大事な換金作物だから、減反を強制するようなことはどこの国でもできやしまい。とはいえ農林水産省によると、我が国の葉たばこ生産量は、たばこ輸入量の増大、喫煙量の減少等により減り続けている。

<葉たばこの生産農家戸数は20,938戸、栽培面積は23,000haであり、産出額は1,093億円である(02年)。主な生産県は、宮崎、熊本、鹿児島、岩手、福島、青森、沖縄で、九州と東北でたばこ栽培が盛んである。

生産された葉たばこはJTが契約に基づいて全量買い取っており、03年の価格は1,881円/キロである。単収を253キロ/1ha(02年実績)とすると、1haの葉たばこ栽培で得られる販売金額は48万円、所得は31万円(所得率65%)であり、葉たばこは農家にとって安定的な所得が得られる作物になっている>

発展途上国ならなおさら大事な作物で、かつ外貨を稼ぐための重要な輸出品である。たばこ=悪というのは基本的には先進国のごく一部の人の思い込みで、彼らに途上国のたばこ農家をいじめる権利はない。

捕鯨=悪というのに似たような胡散臭さを感じるのは小生だけではないだろう。

なお、オバマ大統領にはパイプ煙草を勧めたい(小生の場合禁断症状はほとんどない)。

2010/05/14