禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

金正日が禁煙止めたとか!?

北朝鮮の独裁者、金正日が禁煙を止めて、たばこを再び吸いだしたようだというニュースが、しばらく前に外電で流れていました。

どうでも良い話といえば、どうでも良い話ですが、頗る象徴的な話でもあります。

というのも、金正日は、禁煙中の昨年までは大のたばこ嫌いだったそうで、何の娯楽もない哀れな北朝鮮人民に「たばこを吸うな」と命じたり、「たばこを吸う奴は極めつけの馬鹿だ」と偉そうに放言したり、どこかの国の嫌煙者・嫌煙団体と同様に喫煙者の人格攻撃を執拗に繰り返す我儘勝手な言動をしていたそうです。

どこかの国の嫌煙者や嫌煙団体のメンバーも、嘗て喫煙歴があって、現在禁煙している連中ほど、喫煙者攻撃の矯激な言動をするという話を聞きました。頼まれもしないのに禁煙団体の旗振りをしている医者などの連中の大方が、過去に喫煙歴のある御仁だそうです。

要するに、本当は別に禁煙なぞしたくなかったが、「たばこを吸うと癌になる」「たばこは百害あって一利なし」などとヤブ医者なんぞに脅されて不安になって、無理に自分に言い聞かせて禁煙している連中の内心の激しい葛藤、強い欲求不満が、どこかに捌け口を求めて喫煙者に攻撃の矛先を向けるのでしょう。

彼らの潜在意識の中の闇い歪んだComplexが、喫煙者への怒り、攻撃という形で噴き出すのでしょうから、自覚していないだけ、実に厄介です。

となると、喫煙者は、禁煙している元喫煙者の歪んだ怒りの情念を昇華するための、いわばスケイプゴートという訳になります。

たばこについて嫌煙者と議論しようとしても、彼らが極めて感情的で、およそ冷静で建設的な議論が成立しないという現状も、そう考えると宜なる哉です。

喫煙歴のある嫌煙者の方々の心の中が、果たしてどうなっていようと私の関知するところではありませんが、さも訳知り顔で「喫煙者だったからこそ、たばこの害が分かる」と云うような賢しらな発言は止めて貰いたいですな。

金正日と同様で、いささか鼻につきます。

せいぜい紙巻きたばこ程度しかご存じない御方でしょうに。

さて、金正日は健康不安が囁かれているという話ですが、先日、アメリカのクリントン元大統領が北朝鮮抑留中のアメリカ人の人質救出に平壌を訪問した際に、二人で椅子に腰掛けて並んだ写真を新聞で拝見しました。

半年ほど前に見た報道写真では、金正日は噂の通り、かなり痩せ衰えていましたが、クリントンと並んだ写真では、肥え太ってとても健康そうでした。但し、顔にDohranを塗って、着膨れする特製人民服を着ていたという説も流れていますが。

あくまで想像に過ぎませんが、金正日は、無理に禁煙したから、反ってStressが嵩じて病気になったのではないでしょうか。

北朝鮮という国はソ連の衛星国家として誕生した国ですが、政権を握った金日成一族の間で、後継権力の座を巡って血生臭い粛清が相次ぎました。

金正日も幼少期から身内や仲間にいつ裏切られるか、寝首を掻かれるかという死の恐怖の中で、競争相手の異母兄弟を蹴落として生き延びてきた男ですから、もの凄いStressを和らげるために、たばこが欠かせなかったと推察します。

実際、ソ連のスターリン、中国の毛沢東にせよ、政敵を抹殺する共産党内の血で血を洗う凄まじい権力闘争を生き延びて勝ち上がった男は、いずれもたばこを手放しません。

さてさて、金正日が禁煙したのは、外電によると西暦1999年秋だそうで、北朝鮮の哀れな人民がまだ飢餓と物資不足に苦しんでいた頃のようです。

飢餓に苦しむ人民達に禁煙の勧めをしても、およそPunt外れでしょうが、北朝鮮のたばこ好きの上流指導者層は、恐れ慄いたそうです。

金日成・金正日父子の写真が掲載された労働新聞をうっかり踏んだだけで、密告されて一族もろとも労働教化所に送り込まれたという話もある恐怖支配のお国柄ですから、将軍様の目につくところで、禁断のたばこを吸おうものなら、「人民の敵」というLetterを貼られて、どんな恐ろしい罰を受けるかわかりません。

私なんぞは、北朝鮮に生まれていたら、陰険な嫌煙者に密告されて真っ先に処刑されるクチでしょうな。自由主義の穏やかな国柄の日本国民に生まれてつくづく幸せに思います。

ともあれ、独裁者金正日の禁煙が10年ぶりに解除されて、再び北朝鮮はたばこが吸える国になりそうです。

無理な禁煙の苛苛からかどうかは知りませんが、やたらと他国に攻撃的、好戦的な政策を押し通そうとする愚挙はそろそろ止めにして、国際協調を重んずる穏健な国柄になって欲しいものですな。
愛煙幸兵衛
2009/08/21