禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

「禁煙タクシー」に関する大本営発表

先日、毎日新聞の6月5日付けの朝刊社会面に一読した瞬間に「おかしい」と感じた禁煙タクシーを巡る記事が載っていました。どうでもよいつまらない記事ですが、記録に留めて置こうと思って、駄文を投稿します。

見出しは、「禁煙タクシー35都府県で」が4段抜きの主見出し。「7割以上普及」「乗客評判まずまず」「業界団体まとめ」と副見出しも合わせて4つですから大きな扱いです。「乗客評判まずまず」は大いに疑問があるところですが、評価の問題ですからあえて言いません。ただし、「まずまず」というのは、厳しい批判もあることを言外にほのめかしていますから、比較的正直な見出しです。他は単なる事実です。


問題は記事です。

この記事は、「全国ハイヤー・タクシー連合会」(東京都千代田区)というタクシー業者の団体が、発表した内容を基本に書いたという形になっています。

ですので、毎日新聞が読者をあざむく目的やあるいは間違ってウソの報道をしたということではありません。ただし、ここ数年ほど、毎日新聞は禁煙運動や嫌煙運動の応援団みたいな記事ばかりが載っていて、会社ぐるみで禁煙運動の旗振りをしているような印象もありますから、禁煙タクシーに何の疑問を持たない石原さんという執筆記者が業界団体の発表の一部を怪しいと感じながらもそのまま書いてしまったのではないかという疑いは残ります。


前置きが長くなりました。

この記事を要約すると、2008年度の禁煙タクシーは5002業者16万台余りで、77%を占める。個人タクシーも全車両の74%が禁煙になった。2000年度は禁煙タクシーは0.5%に過ぎなかったが全国に広がったそうです。この部分は単なる集計ですから事実でしょう。

とやかく言うつもりはありません。他はこれまでの禁煙タクシーの経緯です。


問題は、記事の最後部分の「懸念された乗客とのトラブルは数件程度にとどまっている」という個所です。

これには重大な疑問を感じます。


なぜなら、僕自身をはじめとして、僕の周囲の愛煙家の友人の多くが、乗車した禁煙タクシーの運転手さんと激しい口論や応酬などのトラブルを何度も経験しているからです。暴力沙汰にまでは発展しない小さなトラブルとは言え、狭い車内での口論は僕も不愉快だし、エネルギーを使うので疲れるし、運転手さんもさぞかし不愉快だと思います。


業界団体が考え無しに旗振りしてタクシーを一律に禁煙にしようとするからこんなトラブルが起きるのです。「喫煙車」と「禁煙車」に分ければ、問題は起きません。


僕自身の例で言いますと、僕は基本的に禁煙タクシーには乗らないことにしています。理由ははなはだ不愉快だからです。乗るのは禁煙マークを貼っていない個人タクシーです。多少不便でも30分程度の距離は歩くようになりました。おかげさまで毎月2万円位は使っていたタクシー代が数千円程度に減りました。健康にも良いでしょう。


喫煙歓迎の個人タクシーに要望します。「喫煙歓迎」あるいは、控えめに「喫煙可」でも結構ですから、目立つように大きく表示して頂けないでしょうか。駅の乗り場で探すのにいつも苦労していますから。


話がそれました。

この業界団体がいう「トラブル」とは、乗客が運転手を殴るような暴力事件、料金踏み倒しなど警察が絡むような事柄だけを言っているのでしょうか?

警察が乗り出す暴力沙汰などは「事件」であって、世間一般で言う「トラブル」の範囲をはるかに超えるものです。


おそらく僕のような愛煙家と運転手さんとの間で頻発している口論などの小さなトラブルについて、この業界団体にはほとんど報告されていないのでしょう。

あるいは薄々知っていても、禁煙タクシーを推進してきた手前、トラブルが多発していることや、愛煙家がタクシーに乗るのを控えるようになってタクシー会社の水揚げが大幅に落ちていることなどは、都合が悪いので発表しないのでしょう。


こういう種類の記事を「大本営発表記事」と言うそうです。

たばこを巡るマスコミ報道は、この手の大本営発表記事が溢れています。

皆さん、眉に唾つけて読みましょう。

立川 修一
2009/07/21