禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

矯激な嫌煙者 一考

週刊現代の8月2日号に「嫌煙は権利か ファシズムか」という特集記事が掲載されていたので、購入して読みました。タバコについて15人の人の様々なご意見が幅広く掲載されており、なかなかの優れた企画記事だと思いました。週刊誌も今のタバコ狩りが跋扈する異様な社会風潮の出現に危機感を覚えているのでしょう。今後も、こうした記事を週刊誌に限らず新聞、月刊誌などのマスコミは積極的に取り上げて欲しいところです。

 私は愛煙家なので、聊か偏るかもしれませんが、公平に見てタバコ擁護派の方々のご意見の方が筋が通って立派であり、嫌煙を主張する人たちの意見はお粗末で恣意的な内容が多いと判断しました。

嫌煙を主張する方々のご意見をいちいち取り上げて分析して批判しても詮無いことですので止めますが、ほぼ共通しているのは、

  1. 自分の考えだけが正しいという視野狭窄の激しい思い込み
  2. 自己の乏しい個人的体験だけで物事を考える著しい客観性、公平性の欠如
  3. 喫煙者の権利など蹂躙しても構わないという左翼全体主義、ナチズム系統の発想
  4. 自動車の排気ガスや工場の煤煙などには目もくれず、諸悪の根源はタバコだと断じる健康至上主義
――あたりに集約できるのではないでしょうか。

私が感じた嫌煙者に感じられる共通項として四項目を挙げましたが、週刊現代が取り上げて、その主張を掲載した嫌煙者の方は「矯激な嫌煙者」とでも言うべき範疇に入る方々であり、その中でも一定の社会的地位があり声が大きくて目立つ煽動的な方なのでしょう。ここで私が新たに定義した「矯激な嫌煙者」は、普通の非喫煙者とは全く違う手合いと見た方が宜しいでしょう。

愛煙家や喫煙者の大方の意見は「確かにこれまで一部の喫煙者のシガレットの吸い方のマナーが極めて悪かったことはご指摘の通りです。謙虚に反省します。シガレット嫌いの方々の気持ちもよく理解できます。ですから、分煙で結構です。喫煙場所が合理的な範囲でなら制約されるのはやむを得ません」ということで意見集約できるでしょう。愛煙家の私もこの意見に賛同します。要は「きちんと分煙しましょう」ということです。

大方の非喫煙者も「喫煙者が反省してそういう謙虚な態度なら、わかりました」と納得してくれる方々です。喫煙者と非喫煙者は「分煙」で棲み分け、社会の中でいがみ合わずに折り合えると感じている方がほとんどでしょう。シガレット喫煙者の中にはごく一部にマナー違反の不心得者もいることは残念ながら事実です。しかし、そのほとんどはまともな人であり、同様に普通の非喫煙者のほとんどはまともな人です。ですから、まともな喫煙者とまともな非喫煙者だけなら、人口の99%以上を占めますから、お互いに「分煙」で棲み分けが出来て、それで良いわけです。

ところが「矯激な嫌煙者」は全く違います。

喫煙に対する世間の風当たりの強さに反省した喫煙者が、相次ぐ喫煙規制措置に唯々諾々とおとなしく振舞っていることに増長して、「矯激な嫌煙者」は甚だ増上慢の主張をしております。「矯激な嫌煙者」は、タバコをヘロインやコカイン、覚醒剤のような人類の絶対悪と決め付けて、喫煙者に嫌がらせをして迫害し苛めることにこの上ない嗜虐的快感を覚えるようです。

週刊現代で彼らが開陳している主張とやらを読むと、彼らは地球上から喫煙者を絶滅させ、タバコを天然痘のように根絶させようと本気で考えている思い込みの激しい人、遠慮なく言えば原理主義者で狂信者であることが良く分かります。喫煙者を絶滅させるべき対象と捉えている精神のゆがんだ方々のようです。それが単なる妄想ではなく、本気も本気で考えている連中だから危ないヒトたちなのです。

先日、大学の後輩の友人の精神科医K君と久々に会って暑気払いしました。新しいもの好きのK君は私と違って昔からコンピューターの世界に詳しく、私がパソコンの扱い方が分からないで困って電話すると、多忙にもかかわらず懇切丁寧に教えてくれる得がたい友人です。ちなみにK君はシガー愛好家です。

開業医のK君は、患者さんが少ない無聊の時は、診察室の隣に設けた彼専用の喫煙小部屋でシガーを吹かしながらインターネットの世界に遊び、色々と面白い事柄を渉猟して新たな知見を得るのが楽しみだそうです。K君が矯激な嫌煙者や一部の極端なタバコ嫌いのヒトたちのブログ等を読んだ感想を笑いながら、こう漏らしました。

「社会に適合できない境界性人格障害、境界性偏執狂、劣等感の甚だしいヒトがかなりいる感じだね。かなり精神を病んでいるんじゃないかと診て取れる人もいるし、人格障害の顕著な兆候を示していると疑われる人もいる。社会不適合からの逃避で、何らかの新興宗教に嵌っている人が結構多いと思う。タバコは彼らの社会不適合に対する不平不満の象徴なわけだ。本当は我々精神科医の潜在的なお客様だけど、自覚していないから、なかなか診察を受けてくれないな」

後日、K君がメールで嫌煙者のブログ等をいくつか教えてくれたので、時間の無駄とは思いつつも、怖いもの見たさの気持ちもあって、つい見てしまいました。そこは、まさに喫煙者とタバコに対する凄まじい憎悪が満ち溢れていました。中庸を心得たまともな日本人なら嫌悪する内容が書き綴られています。

「矯激な嫌煙者」はタバコと喫煙者、そして喫煙を許容する(に寛大な)人たち・企業・団体をも憎悪の対象としています。そしてその憎悪の刃は止まるところを知らないようです。有名なホテルやレストラン、航空会社、鉄道会社、官公庁などにしつこく全面禁煙を強要する電話をし、電子メールを送りつけるのが彼らの常套手段のようです。彼らの一方的な主張に企業や役所が取り合わないとブログ等で罵詈罵倒を重ねて激しく攻撃しています。

某中央省庁にいる若い友人の話ですが、某県庁に対し庁舎の全面禁煙を連日のように執拗に要求して「誠実な回答をせよ」と迫る、困った歯科医がいるそうです。友人は「どんなヒトかと思って調べたが、一見してまともじゃない雰囲気のヒト。毎日、よほど暇なんでしょう」と笑っておりましたが、相手が常識を備えたヒトではないと分かっていても、公共機関である以上、担当職員は対応しなくてはならないので、甚だ迷惑だそうです。

最近では、役所や企業の中には、こうした偏執狂の手合いをいちいち相手にするのが煩わしいので、馬鹿げた全面禁煙要求に屈してしまっているところが増えています。また、こうした嫌煙偏執狂に類する輩や素っ頓狂のお調子者がどこの企業や役所にもいるもので、こうした手合いが嫌煙運動のお先棒を担いで、会社の建物を全面禁煙にしたり、神奈川県のようにヒトラーナチスも真っ青になるような嫌煙全体主義県条例を強引に制定しようとしています。

私は精神科医ではないので、K君のように精神異常や人格異常の詳しい症状は分かりませんが、ブログ等を一読するだけで「どこか頭の一部が壊れているヒト」「危ない雰囲気を漂わせているヒト」「関りにならない方が賢明なヒト」の範疇に含まれる方々であると推察できます。ほら、電車の中でぶつぶつ独り言を言っていて、混んだ電車の中でも周囲に空間が出来ているヒト、座席の両隣に誰も座らないヒトをご想像になれば、私の言わんとする人物像が浮かび上がるでしょう。こういうヒトたちを、取り敢えずA級の矯激な嫌煙者と呼びましょう。

矯激な嫌煙者の中には、A級ほどには壊れていなくても危ない連中がいます。B級のおヒトたちです。どんなヒトたちかといえば、A級のように派手な嫌煙活動はしないものの、日常生活の中で顕示的な嫌煙行動をとるヒトたちです。

具体例を申し上げた方が分かりやすいと思います。この欄でもすっかりお馴染みになった一番弟子君と私は昨年秋、横断歩道で一緒に青信号待ちをしておりました。

するとやや離れたところにいた狐目の釣り上がったような顔をした30歳くらいのやや大柄の若造が、パイプを吸っている私の横にわざわざ擦り寄ってきて、漂ってくる煙を犬のようにクンクン吸い込んで「おじいさん。煙たいので、タバコは遠慮して貰えませんか」とほざくのです。私の外見が見るからに萎びた爺だと見くびって、喧嘩を売ってきたものだと思います。

「莫迦者」「お前はわざわざ私のパイプの煙を吸いたくて吸いに来ているじゃないか。それで煙たいは無いだろう。このウスラ莫迦」と一喝しました。私は匹夫の勇を発揮するような年齢でもありませんから、後ろに従えていた武闘派の一番弟子君に「この阿呆面君に、礼儀をたっぷりと教えてやってくれ給え」と命じて後を託しました。

この後、渋谷の会場で落ち合った一番弟子君から、このウスラ莫迦に「怪我はさせない程度に急所を締め上げて、人様への礼儀を弁えないと痛い目に遭うことを教えてやりました」と報告がありました。一番弟子君は絞め技、関節技の達人ですから「それでよし」と労いましたが、斯様に日常生活で喫煙者に言いがかりをつけ、喧嘩を売ってくる知能の低い愚物がB級の矯激な嫌煙者の代表例です。

矯激な嫌煙者について、折角、A級、B級と分類しましたから、ついでにC級も取り上げましょう。

これは壊れた精神に基づくA級の行動力もなく,条件反射レベルのB級の愚かな行動も無い、専らインターネットの仮想空間の世界に巣食うイナゴどもです。私はインターネットは詳しくないのでほとんど実態を知りませんが、この分野に詳しい友人によると、「ネットイナゴ」と呼ばれる昆虫系の面々が一日中パソコンに齧り付いて、馬鹿げた「自己発信」とやらをしているそうです。芥子粒程度の価値もない分際の身で、自意識ばかりが身の程を忘れて夜郎自大に肥大している方々でございます。小人閑居して不全を為すとはよく言ったものです。

インターネット上の記述に関する悪質な誹謗中傷、信用毀損の件で、このイナゴの一匹を執拗に探し出して追い詰め、法廷に引き摺り出した畏友の評論家のS氏は「この連中は、インターネット上では、さも一人前の人間のふりをして、いっぱしのことをほざいているが、呼びつけてみると、取るに足らないカスばかり。恐らく虫けらの遺伝子でも混入している連中だろうよ」と語っていました。S氏は「イナゴも大挙すると社会に害毒を撒き散らす。地球環境保護のために、一国も早く中国産の農薬で駆除する必要がある」と冗談を言っておりました。

愛煙幸兵衛
2008/08/21