禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

雲造院杢杢愛煙信士のつぶやき26
雲造院杢杢愛煙信士

某月某日

中国たばこ事情

1月の北京は、連日氷点下の厳しい気候だ。マイナス20度以下の日もしばしばある。おまけに大気汚染が呼吸困難を覚えるほどひどい。昨今の尖閣諸島の件もあり、中国は私が大嫌いな国の筆頭なのだが、仕事でやむなく短期間行ってきた。

私は日本が中共(当時、新聞やテレビはこう表記していた)と国交正常化した頃は、中国に、ほのかな親しみを感じていた。戦前の蒋介石国府政権の酷い反日暴虐行為を、支那大陸に度々行った経験のある父親から散々聴かされてはいた。しかし、日本の文明がかつてお世話になり、水滸伝や西遊記などにも親しみを抱いていたから、「時代は変わったのだから、新しい日中親善関係を築いて行けば良い」という風に楽観的に考えていた。だから日中友好関係の団体にも参加して日中関係の催しにも色々と協力した。この頃、私が一番嫌いな国はソ連だった。

しかし、江沢民中国共産党政権が、共産主義思想の信用失墜と、共産党政権による統治の正統性の無さを覆い隠す目的で、様々なウソの歴史を捏造して徹底した反日教育(彼らは愛国教育というそうだ)を推進するようになった。ウソを信じた愚かな若者が、共産党政権の指導下で様々な反日暴動を起こすようになった。

加えて強盗も顔負けの尖閣諸島に対する理不尽な領土要求。まだ勘違いしている平和呆け、欲呆けの日本人が多いが、今の中国は断じて日本の友好国ではない。日本国と日本人への邪悪な敵意を剥き出しにしている国なのだ。

ヤクザ者より性質(たち)の悪い連中が隣に居て、引越しも出来ないわけだから、なるべく戦争にならないように忍耐しつつ、距離を置いて付き合わざるを得ない。大切なのは強い警戒を怠ってはならないということだ。

中共政権と中国人に対するお人良しの甘い見方しかできなかった若い時分の自らの不明、未熟さを心から恥じている。

ただ、仕事だから、大嫌いな国でも行かざるを得ない。久しぶりに訪問して色々と思うこと、感じるところはあったが、日本パイプクラブ連盟のホームページへの寄稿だから、たばこに関することだけに絞って紹介したい。

結論を先に言えば、中国は、愛煙家にとっては、暮らしやすい国だ。

確かに、公共の場では基本的には禁煙である。空港は指定された場所以外、たばこは喫えないし、国際線及び国内線共にライター・マッチ類の機内持ち込みはできない。北京空港は、国内線の建物内に喫煙室はない。喫煙室があるのは国際線の建物だけだ。なお上海空港はロビーに喫煙室がある。

地下鉄の駅も構内禁煙。喫煙場所は設けていない。電車やバスの中は禁煙。タクシーも禁煙。

しかし、中国人は、取締人がいる場所ではたばこを喫わないが、姿が見えなくなると堂々とバスや電車の中で喫っている。満員に近いバスや電車の中でも平気で喫煙。しかも吸殻をお構いなしに床にポイポイ捨てている。

ウソを撒き散らす日本の嫌煙運動の鉄面皮ぶりに反発して、日頃、喫煙の自由を声高に唱えている私でさえも、中国人の喫煙マナーの悪さ、傍若無人さにはいささか呆れた。日本人によくいる独善的で偏狭な嫌煙運動屋サンが見たら、即座に発狂しそうな光景だろう。

地域差もあろうが、昭和40年代頃までは、日本でも乗り合いバスは喫煙自由だった。ただ、乗り合いバスの中でたばこを喫う人は徐々に少なくなっていた。電車の普通客車は当然、喫煙自由だった。電車の床にポイポイ吸殻を捨てるのは、躾の悪い馬鹿で、大方のまともな愛煙家は備え付けの灰皿に捨てていた。また混んでいる電車の中では周囲に配慮してさすがに喫わなかった。

中国では友人知人や初対面の人にたばこを勧めるのが大切な礼儀である。自分ではたばこを喫わない人も、打ち合わせや会食の時は、相手にたばこを勧める。その時、それを断って自分のたばこを喫えば、相手に対する侮辱という大変失礼なことになる。

中国では紙巻たばこの値段は日本の様に統一されていない。買う店によって値段はバラバラで、安いのは1箱1元(約15円)からある。平生は安いたばこを喫っている人も、人に勧める時は高価なたばこを用意する。

今回、商談相手先から頂戴した中で一番高価だったのは、「黄鶴桜」。中国最高級だと自慢していたが、値段は1箱20本入でなんと280元(約4200円)とか。

他にも「中華」150元、「パンダ」200元と高級品が色々ある。こんな高いものは貰うだけで、自分で買おうとは思わない。せっかく頂戴したから、早速、黄鶴桜を喫ってみたが、「うまい」とはまったく思わなかった。

1箱1〜2元の安いたばこは甚だまずい。総じて日本の国産たばこと比べると、ニコチンは強いのが多い。6元以上の中には、ほぐしてパイプに詰めて喫えるたばこもあった。日本から持参したパイプたばこが品切れになった時の、一時的な代用品にはなる。

商談後に、先方と懇親のための会食をしたレストランも禁煙マークがあった。ただ灰皿を要求すると女給が黙って持って来た。もっとも、灰皿が来る前も商談相手らは食べた食器を灰皿として使っていた。昔の日本にも食器の皿を勝手に灰皿にする人はいたが、そういう人は大体、世間の顰蹙を買うような人物だった。

宿泊したホテルは5つ星の高級ホテル。客室は喫煙自由だが、ロビーだけは禁煙だった。しかしロビーの禁煙のマークを無視して喫っている人が大勢いた。私が、禁煙マークがある場所で、好きなパイプたばこを喫わないで我慢しているのを見て、商談相手は「なぜ喫わないのか」と聞き、不思議がった。

なお、あちらの人に聞くと、3つ星の中級ホテルはどこでも喫煙OKだという。

おかしなルールでもルールだから守ろうと思うのが、生真面目な日本人。ルールなど破って当たり前なのが中国人。相互理解はとてつもなく難しい。足して二で割ると、硬軟バランスが取れた国民性が出来るかもしれない。

 短い滞在期間だったが、中国共産党独裁政権への私の敵愾心は変わらないが、一般の中国人民衆への反感はかなり薄れた。


某月某日

奇怪な嫌煙教育

スモーカーズ人形なる奇妙な物があります。人体の上半身を模した透明な模型です。

この人形に、タバコを喫わせて肺の部分にある濡らした脱脂綿に、ニコチンやタールが付着して汚れるのを見せて、「たばこを喫うと、あなたの肺がこの様に汚れます、タバコは体に良くないですよ」と脅かす、悪質なものです。

人間の肺には自浄作用があるから、この人形を使った説明は完全な虚偽なのですが、たばこに関することなら子供にどんなウソを吹き込んでも良いと考える嫌煙運動屋サンならではの、いじましい発明品です。教員に愚かな嫌煙運動屋サンが多いのでしょう。

こういうウソを堂々と教えているのが、文部科学省と日教組が裏で連携して進める今の義務教育です。

先日、小学生の孫からこの人形を使った嫌煙授業があったと聞きました。

「嫌煙馬鹿ドモが、また性懲りも無くやっているな」と思い、気にも留めませんでしたが、孫の話では、学校の教室で本物のシガレットに火を着けて、人形に煙を吸わせた後、次に児童一人ひとりに無理やり煙を吸わせるのだそうです。むせる子供たちに「煙いだろう。馬鹿なたばこ好きの大人はこんなものを喫っているんだよ」と嫌煙授業をしているというのです。

孫に嫌煙教育をしたのは、特に左巻きでもない普通の真面目な先生だとか。職員室に電話してその方を捉まえて「行き過ぎた嫌煙教育は直ちにやめなさい。子供にたばこの煙を無理に吸わせるのは行き過ぎだろう」と抗議しましたら、「子供たちにたばこがいかに有害なものかを知らしめるには、実際にたばこの煙を吸わせる実地教育は必要です」とのご返事でした。

呆れた私が「先生は、実地教育で経験させることが必要だと言うが、性教育でも男の子と女の子に実演させるのですか」と言うと、「おかしな言いがかりはやめてください」とのこと。視野が狭くてひたすら真面目な人だけに、自分は正しいことをしていると思い込んでおられました。

これでは埒が明かないと思い、翌日、学校に乗り込み、校長に直談判しました。私が「行き過ぎた嫌煙教育を改めないならば、小学校教師が児童に強制的にたばこの煙を吸わせたということで、警察なり、マスコミなり、教育委員会に通報するぞ」と言いましたら、校長、平謝りで「今後はこの様なことは禁止しますので、なにとぞ穏便に。ご内聞に」と平伏して頼まれました。

私は温厚な好々爺のつもりですから、「二度と行き過ぎた嫌煙教育はしない」との言質を取って矛を収めました。

学校での瑣末な教育内容に、そういちいち目くじらを立てるなとおっしゃる方もおられるでしょうが、実はこの話には伏線があるのです。数年前から、私の住んでいる自治体の小中学校が敷地内禁煙になってしまったのです。誰の差し金かは知りませんが。

このために地区の運動会等の行事で、喫煙場所が確保出来ないので、学校が使えなくなり、学区内の狭い公園で開催することになりました。

これでは広い場所が必要な競技が出来ないし、便所が少ない等々行事を主催する町内会では大変不便を感じています。町内会の世話役をしている私は校長に「地区の運動会のときは、敷地内禁煙の例外にしてもらいたい」と何度か交渉しましたが「ルールだから駄目です」とのこと。

町内会の運動会は、地域の懇親の行事として、長年続いてきたものです。それが過激な嫌煙運動のせいで大きな制約を課されるようになっています。義務教育の学校が、過激な嫌煙運動のお先棒を担ぐようになっているからです。嫌煙運動が、地域社会に害悪を及ぼしている一例です。

2013.02.15