禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

「喫煙タクシー」登場とか。当然の話ですな。

先般、大分に行ったら、大分駅前で客待ちのタクシー全部が愚劣にも「禁煙タクシー」とやらになっていました。煙草嫌いな人向けに「禁煙タクシー」も結構でしょうが、愛煙家の愚生のように、JR九州の禁煙強制特急列車で問答無用で長時間禁煙を強いられた客にとっては、駅から降りてパイプをゆっくり一服したいところ。違法ではない限り、何事も選択の自由があるのが、本当の自由主義国家ではないですか?


「禁煙タクシー」があるなら、「喫煙タクシー」があっても良いはずでしょうが。


要は「全員に問答無用で禁煙を強制する」のが理不尽且つ異様なわけで、醜悪な全体主義志向そのものではないか、と思う次第。全体主義志向と書きましたが、はっきり言って思考様式が全体主義者そのものですな。全体主義がそんなにお好きで心中憧れているなら、日本の近くにある「○○民主主義人民共和国」とやらにでも、遠慮無く移住してくだされ。


大分タクシー協会か何かの、愛煙家の観光客・訪問客無視の傲慢不遜な姿勢が、不愉快極まるので、「禁煙タクシー」には乗らないことにし、目的地まで1キロ強をパイプを燻らせながら楽しく歩きました。日頃運動不足気味だから歩くのは健康に良い。

愛煙家の皆さん方、なるべく「禁煙タクシー」には乗らないで、歩くことにしましょう。


ついでに言えば、大分県の愛煙家の友人の話では、大分県ではタクシー会社だけでなく、行政組織も喫煙者を目の敵にしているそうです。

大分観光に行くのは止めましょう。不快な目に逢うだけです。


呆れたことに、大分の愚挙に倣って神奈川、静岡、千葉、東京のタクシー業界団体が相次いで団体加盟の全タクシーを「禁煙タクシー」にするというニュースが続きました。 なんと福岡の業界団体も追随するとか。まさに「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というビート・タケシの迷文句そのままですな。


タクシーの業界団体がどういうものか知らないし、知ろうとも思いませんが、一体、どういう権限があって、そうした馬鹿げた措置を加盟のタクシー会社に強制出来て、客にも強制できるのでしょうかね? 不思議です。


事務局あたりに、どこぞやの役所の偉い偉いお役人様が、何人も天下っておられて、高い高い給料と退職金をおいしくかすめ取っておられる業界団体なのではないかと、想像してしまいます。一律強制がお好きな体質のようだから、ついつい下司の勘ぐりをしてしまいます。


浅はかなことに、愚生は日本は自由主義の資本主義国家だと長年思っていましたが、どうも本当は違うようです。全体主義の強制や統制を好きで好きで堪らない連中が、どこにもかしこにも、うじゃうじゃいるようです。「自由」だの「民主」だの、口先だけでご託を並べていても、それは建前だけ。本当は息苦しい統制大好き体質の国だということが、禁煙運動のおかげで鈍い愚生にもようやく分かりました。人間、何かあると、つい本性が剥き出しになりますが、国も同じですな


愛煙家たる愚生は、不愉快千万。「東京、千葉、神奈川ではもう、よほど差し迫ったことにでもならない限り、タクシーには乗らないことにしよう」と、心中固く決めていたら、原油価格の値上がりかどうかで経営が厳しくなったタクシー会社が相次いで値上げをするそうです。この10年余り、国土交通省がタクシー業界の自由化とやらで、どんどん増車を認めましたから、過当競争で経営が厳しくなって、タクシーの運転手さんの給与も下がる一方だそうです。


「喫煙者に一斉に全面禁煙を強制する」ような業界、会社の体質だから、バチがあたったんだろうな、と思っていました。気の毒なのがタクシー運転手さんですが、ご自身が入っているそんな業界団体を許しておくのがいけませんな。


平成19年12月3日付けの産経新聞の記事(※ご読者の御参考までに喫煙関連情報欄にしばらく掲載してもらいます)を読んでいたら、「喫煙タクシー」が登場すると書いてありました。値上げで客が減るのは必至、おまけにタクシー会社の勝手な都合で車内禁煙を喫煙者の利用客にも強制しているわけですから、喫煙客の利用が既にかなり減っているのでしょう。


記事によると「喫煙タクシー」は「禁煙タクシー」への「差別化」なのだそうです。目を三角にして「差別はいけない」と言い募る御仁がよくいらっしゃいますが、この場合の「差別化」はどうやら良い意味のようです。タクシー業界団体に加入している個人タクシーも「喫煙自由」が増えてきているそうです。


喫煙者は「分煙で構わない」と言っているのに、問答無用で「全面禁煙を強制する」のが、昨今の風潮です。「喫煙タクシー」の登場は、「差別化」というより当たり前の姿になるだけでしょう。


そういえば、アメリカの真似をして「全面禁煙」をうたっていた安売りコーヒーの喫茶店チェーンが、反発した喫煙客が入らないので、分煙にするようになりました。


愚生もたまに、昼食の後などに利用しますが、大体、喫煙自由の2階席が満員で、1階の禁煙席は空いていることが多いですな。昼休みの限られた時間を、コーヒーを飲みながら、パイプ煙草を燻らせてゆっくりくつろごうというのに、「吸うな」という無粋な喫茶店には入りたくないのが人情です。


要は、「禁煙、嫌煙」とわめき散らす禁煙教原理主義の連中が、しゃかりきになって厚生労働省に圧力を掛けても、商売が優先するということです。こういうところは自由主義、資本主義のありがたさです。


利用客に「分煙」を認めずに、全面禁煙を強制するのは、国と地方の役所、航空会社、JRグループ、私鉄各社、病院、一部のタクシー業界団体。何となく傾向がわかりますな。偉い偉いお役人様の許認可行政で、がんじがらめに統制されている連中です。


自分が統制されているうちに、習い性になってご自分でも「統制」がお好きになるようです。


大日本帝国陸海軍の兵隊さんと同じですな。初年兵の時は、二年兵や古年兵に理不尽なイジメの私的制裁を受けて、ビンタをかまされたり殴られる。自分が二年兵になると、こんな理不尽なイジメは止めればいいのに、今度は新入りの兵隊をいじめて楽しむ。 何でもニワトリも同じような行動をすると、物の本にありました。


パイプと煙草のおかげで長生きし過ぎているもので、ついつい昔話になって恐縮です。ですが、今の学校や体育会などでも、こうしたイビリやイジメが連綿と受け継がれていると聞きました。


年寄りの繰り言で話が収拾がつかなくなってしまいましたが、最後に一言。 愛煙家の皆さん、「禁煙タクシー」には乗らずに、「喫煙タクシー」を選別して乗って、全体主義や統制に反対する愛煙家の志の高さを示そうじゃ、ありませんか。

愛煙幸兵衛
2007/12/06