紫煙を楽しむ

紫煙を楽しむ

川原遊酔(かわはらゆうすい)の「紫煙を楽しむ」

初めてのワールドカップ

 筆者は、パイプたばこを自己流で楽しんできたため、全日本の大会にも参加したことがなかった身でありながら、この度、いきなりパイプスモーキングのワールドカップに参加してしまいましたので、以下、その苦戦ぶりをご報告してみたいと思います。

2年ごとに団体戦で開催されているパイプスモーキングワールドカップは、今回で13回目になるそうですが、去る10月11日に、ハンガリーのデブレツェンで開催されました。日本からは、鈴木達也JPC名誉会長をはじめとして、H氏、M女史、Y博士、T氏、S夫人と筆者(競技参加者は、鈴木名誉会長を除く6名)が参加しました。

現地の状況に早めに慣れておいた方がよいであろうとの幹事役のH氏の配慮から、本番4日前の10月7日にスイス航空(チューリヒ経由)でハンガリーの首都ブタペストに入り、観光名所、レストランなどの現地視察を行ってから、本番前日にデブレツェンに入り、登録後に、ガラ・デイナーに出席しました。既に知り合いの多いH氏やS女史と違って、小生は初対面の方々ばかりで面食らいましたが、各国のパイプスモーカーとのささやかな交流を図ることができました。ガラ・デイナーは、地元の民族舞踊や合唱などのイベントが盛り沢山で、それなりに楽しめましたが、最後を飾って、ダンスパーテイが華やかに行われました(小生はシャイなので踊りませんでしたが)。

競技に初参加の筆者に対して、Y博士から懇切丁寧な事前指導があり、ワールドカップ本番に臨みました。競技参加者は、約300名で、10人ずつのテーブルに着席し、タイムキーパーの地元女子大生(美女揃い)が各テーブルに一人ずつ配置されていました。筆者の周りは、イタリア人らしき陽気な人達が多く、緊張が解けて助かりました。

最初に、主催者から英語でルールの説明(5分以内で3グラムたばこのパイプへの充填、1分で2本のマッチで着火など)があった後、いよいよ競技開始となりました。筆者のテーブルにいたベテランのパイプスモーカーのやり方を横目で見ながら、ゆったりと喫煙を始めましたが、第一印象は、皆様のダンパーの使い方がお見事といったところでした。競技開始後30分ぐらいで、リタイアする人がぼちぼち出てきましたが、小生は、39分44秒でリタイアとなりました。正直な感想は、「緊張でかなり疲れた」といったところですが、初参加にしては、まずまずの成績だったと思っています。今回の日本チーム(日本パイプスモーカーズクラブと岡山パイプクラブ)の成績は、今一つでしたが、筆者としては、「参加することに意義あり」と思っていましたので、ワールドカップの雰囲気を楽しむことができたことは大きな収穫でした。また、会場前には、各国のパイプの展示販売も行われ、競技後も参加者同士の交流が活発に行われていました。

後日の報告によると、今回のワールドカップの最長喫煙者は、3時間9分21秒で、2時間以上の喫煙者が11名もいたとのこと、改めて世界の壁の高さを知らされた思いです。

それにつけても、世界のパイプスモーカーは、文化としてのたばこに対する愛着が強く、哲学が”ぶれない”上に、ダンデイな人が多いことに、感銘を覚えた次第です。

川原遊酔(かわはらゆうすい)