大会記

大会参加記

第42回 全日本パイプスモーキング選手権大会開催報告

日本パイプクラブ連盟(会長・梶浦恭生)は10月11日(日)に第42回全日本パイプスモーキング選手権大会を愛知県名古屋市にて開催した。

この日、名古屋は朝から雨模様だったが、大会が始まる頃には雨もやみ、全国からの大会参加者を「金鯱輝く名古屋の地」に迎えた。会場は名古屋の中心地、錦3丁目、古くから錦三(きんさん)と呼ばれる繁華街に面した名古屋国際ホテルでの開催だ。入り口には大会開催の立て看板が置かれ出場者を歓迎していた。立て看板は「パイプを咥えた多数の人」の顔写真が下地となっていた。ポスターやプログラムに使用されたユニークな、人を引き付ける立て看板だった。この顔写真のデザインは大会開催の準備を始める際に考え出された「名古屋ではパイプを喫う人はまだ少ないが、世の中にはこんなに沢山のパイプスモーカーがいることを知ってもらいたい」というコンセプトから生まれたものである。開催案内やポスター、プログラムに使用された。使われた多数のパイプスモーカーの顔写真は、昨年の第41回浅草大会の際に、今回の大会の立て役者、実行委員会事務局長の小島健さんが撮影したもので、100人強の方がモデルとなって協力している。

10時に受付開始、ロビーには先ほどの立て看板の顔写真が引き伸ばされてずらりと貼りだされ、出場者を出迎えた。どの顔も皆笑っている。パイプを咥えるとスモーカーは和やかにになることがよく判る。

受付をすました人は三々五々とパイプショウの会場へ足を運んで行くのはいつもの大会の通りである。今回のパイプショウにはパイプメーカーやたばこ販社、パイプ作家などの常連の出店者に加え、地元名古屋の「フナハシスモーキングショップ」や審判員のTシャツを提供した「くのいちプランニング」も出店した。

 定刻11時に大会開始、司会は東海PCの榊原悠介さん。まず最初に地元からの歓迎ということから、来賓の名古屋市長の河村たかし氏が挨拶した。名古屋の戦災からの復興、持論の自治体給与の話、名古屋城の木造による再建などなどと、大会開催を祝賀し愛煙家にとって住みよい街作りを目指すと約20分のスピーチをされた。

愛知県知事などからの祝電披露に引き続き、梶浦恭生連盟会長挨拶、春山商事・春山祐介専務取締役によるパイプ、日本たばこアイメックス新井慎一郎社長による競技使用たばこ「フォレスト」の説明がされた。名誉審判長の日本たばこ産業・島川敏彦東海支社長による使用たばこのテープカットが行われ、大会機運が高まった。

今回はマッチが各選手に一箱まるまる配布され、各人が2本を取り出し競技に使用、マッチ棒の選択から勝負は始まることになった。

東海パイプクラブ橋本順平選手による力強く、また36年ぶりの名古屋開催について思いのこもった選手宣誓が行われた。パイプのトラブルからスケジュールより少し遅れたが、森谷周行審判長(連盟理事長)の競技規則説明・注意の後、審判の東海パイプクラブ早川恒一さんのゴングの合図で競技が開始された。

もうもうと立ち込める煙、その中で着火失敗により早くも立ち上がる人が出るのはいつもながらの光景である。今大会では早々に立ち上がる人は案外少なく、30分まででリタイアした人は、183人の出場者のうち31人で、まあまあの滑り出しであった。しかし1時間経過すると残りは61人、1/3に減った。80分では24人に、100分超えは7名に絞られた。7人のうちなんと4人はすみだ川パイプクラブの所属メンバーだ。大詰めが近づいて同クラブの団体戦圧勝は決まったようなもとなった。

最後に勝ち残ったのはすみだ川パイプクラブの小滝広子さん、115分3秒で優勝した。第2位は藤岡嬉光(徳島PC)さん、第3位は土田和彦(すみだ川PC)さんとなった。

レディース1位は勿論小滝さん、第2位・矢野初枝(パシフィックPSC)さん、個人総合も第4位の好成績、第3位は冨田悦代(すみだ川PC)さん。団体戦は第1位すみだ川PC、328分25秒、2位を30分以上引き離し、ぶっちぎりの優勝である。第2位徳島PC、297分57秒、第3位ジョンシルバーPC、282分20秒。

レディースが個人総合と両手に花の優勝を果たしたのは、今まで42回開かれた大会の歴史で、第39回の矢野初恵さん以来2人目である。しかし今回の小滝さんは個人総合・レディース・団体の「トリプルクラウン」で、これは大会史上初めての快挙である。ちなみに一つのクラブがトリプルクラウンを達成、完全制覇したのはJPSC、徳島PC、岡山PCで、今回すみだ川PCが4クラブ目の栄冠獲得となった。

しばらく時間を置き、パーティ、表彰式に。パーティはゲスト、パイプショウ関係者、応援参加者など出席者が約240名に膨れ上がった。健闘をたたえ合う人、1年ぶりの顔合わせで久闊を叙する人などなど。アトラクションはスタートランプの2人の手品やパントマイム。二人のパーフォーマンスに、メンバーが飛び入り登壇するなど大変盛り上がった。

表彰式に移り、もちろん主役はトリプルクラウンの小滝さん。何度も登壇し、表彰状やメダル、両手いっぱいの賞品を受け取っていた。今大会の表彰状は東海PCの明園リュウさんによる毛筆の手書きで、格調の高い賞状となった。団体戦1〜3位、レディース1〜3位、個人戦1〜10位が表彰された。

連盟旗の引継ぎがあり、連盟旗は東海パイプクラブの杉戸要会長から北海道紫煙会札幌足立(アシダテ)副会長に引き継がれた。来年の第43回大会は10月2日(日)に札幌・すすき野の東急REIホテルにて開催される。

続いて特別賞の授賞に。賞品は協賛企業からの提供や東海PCのメンバーが駆けずり回って集めた。特別賞は42回賞や飛び賞など多数あった。東海PCの早川恒一さんからお店の屋号「フナハシ」にちなんだ27(フナ)位と84(ハシ)位にパイプが贈られた。また団体戦15位以下などや、残念ながらあまり成績の振るわなかった参加者に手厚く贈られ、主催の東海パイプクラブの配慮が目立っていた。

最後に中国・北京から来られ、パーティに出席した北京中央美術大学教授・徐海(ジョカイ)さんが登壇し「北京でもコンテストを数回開いているが、この道で進んでいる日本との情報交換、友好を深めたい」と挨拶され、連盟と会長に「Ivarsson一家」を紹介した大部の本を贈呈された。2018年東京の世界大会への中国からの参加が楽しみである。

お開きとなり、審判を務め、名古屋で2回目の大会を開きたいと発案した東海パイプクラブ早川恒一さんの発声により万歳を三唱し、大会は無事終了した。36年ぶりの名古屋での大会であったが、従来の大会にとらわれない斬新なアイディアで運営した東海パイプクラブの若いメンバーの活躍で、大会サブテーマの「紫煙と遊ぶ」が実現した楽しい大会であった。東海パイプクラブの皆さんのご尽力に感謝する。


日本パイプクラブ連盟事務局